捨てられないお雛様 🎎
10年以上空き家になっていた実家を取り壊すことになり、いろいろな物を整理し片付けていて、押入れの天袋から出てきたお雛様。(昔ながらの七段飾り💧)
人形以外の物(台座や飾り物など)はすぐにすべてゴミとして捨てたのですが、人形は人形供養してもらってから処分しようと思っていたので、まだ残してありました。
コロナ禍になってから断捨離を進めていたので、もうこの人形も処分することにし、その前に一度全部出して写真だけでも撮っておこうと思いました。
写真を撮っているうちに子供時代を思い出し懐かしくなったりもしながら、また箱にしまおうと一体ずつ薄紙に包んでいたら、人形の底に貼ってあるメモを見つけてしまいました。
母の字で書かれた小さなメモがすべての人形に貼ってあるのです。
七段飾りなので飾るときにすぐにわかるように、「何段目の一番右側で何を持たせる」みたいなことが書いてあるのです。それがセロテープで貼ってある。神経質な母のやりそうなことです。
母は私が中学生の頃から精神を患っていて、病院の入退院を繰り返していたのですが私が29歳の時に自死しました。
いつも苦しそうな辛そうな表情をしていた母でしたが、そんな母でも私が小学生のときには楽しそうに笑っていた記憶があるのです。
その時の母の記憶が少しだけ蘇りました。
人形たちはまたそっと箱に戻し、まだしばらくは捨てられなさそうです。