泣けるのは何も卒業式だけじゃない
息子の高校の卒業式に行ってきた。
小中の卒業式では涙が出た。
あんなに幼くて一人では何もできなかった子がこんなにも大きく成長して…、という感動で。
今回も泣けるかな、と思ったけどそんなことは無く淡々としたものだった。
息子が過ごした高校3年間の想い出が走馬灯の様に甦ってきたのは、卒業式なんかじゃなかった。
それは、お弁当。
とにかく作った。毎日作った。休まず。
平日は普通のお弁当と、部活前に食べる大きめのおにぎり。
土日は部活用におにぎりと豚汁などの汁物を。
コンビニに寄って買うのは面倒で、また学校の購買のパンは早く行かないと売り切れてしまうらしく、とにかく毎日休まず作る日々。
部活を引退してからも土曜は補習授業があり、またお弁当。
卒業式の後もまだ受験が残っていたため補習があり、翌日からまたお弁当。
そして息子にとって高校に行く最後の日。
私のお弁当作りが終わる最後の日。
泣いた。この日に私は泣いた。うっすらと家族には気付かれないように。
朝、作って詰め終えて蓋を閉めるとき。
夕方、息子が持ち帰ったお弁当の蓋を開けて、最後の今日もきれいに食べてあるのを見たとき。
お弁当箱を洗っているとき、拭いているとき、しまうとき。
もうこのお弁当箱の出番はないのだろうかと思うとき。
3年間の想いが溢れて。
もうお弁当を作らなくていいのだという解放感と何とも言えない寂しさと。
こうして子供はだんだんと親の手を必要としなくなっていくのかな。
私も少しずつ子離れをしなくては。